こんにちわ、ひさびさにヒルズに行ったらスマートフォン率の高さに驚愕した@nihimotoです。
今回はちょっと路線は変わりますが、「世界を変えるデザイン展」にお邪魔してきたので簡単にレポートしてみます。
「世界を変えるデザイン展」というと、どんな内容かというと、要するにデザインの力で世の中(主に発展途上国)をよくしているプロダクトを紹介する、という展示なんですね。
世界を変えるデザイン展
http://exhibition.bop-design.com/
すばらしいプロダクトを通じて、世界の状況を垣間見ることができる、とても有意義なイベントでした。
ということで早速気になったプロダクトをご紹介。
この状態でしばらく置いておくとペットボトルの中の水が光のおかげで綺麗になるそうです。
どこからどう見てもただの板です。
逆に「こんなんでいいんだ!」とびっくりしました。
携帯電話やライトやらいろいろなものに使える太陽電池です。
お値段130ドル、とのこと。村にこれ一台しか電気を生めるものがない、そう考えるとこのお値段でも納得できると思います。
銀行の電子通帳だそうです。日本ですらまだ紙なのに・・。識字率が低いためにボタンはイラストで表現、銀行の残高などが表示されるだけのシンプル機能なんでしょうか。
あと、端末の下の方にさりげなく「GRAMEEN BANK」と書いてあります。マイクロファイナンスで有名なグラミン銀行ですね。
空き缶を使用済み注射器針入れとして活用するための「蓋」。
途上国は針の使い回しのせいで病気が広がっているそうです。
この蓋があるだけで空き缶が立派な入れ物になるんですね。
他にもたくさんの展示がありました。
全体的には水やエネルギー関連が多かった印象です。
有名な義足なども展示してありました。
多くの展示物を通じてその先にあるユーザーの生活を想像してみると、とても考えさせられます。
そのプロダクトが必要になる、そんな日常がそこにあると思うと・・
–
最後に展示を通じて自分が感じたことを箇条書きまとめてみたいと思います。
– 携帯というのは途上国の間にだいぶ普及してきていました。先進国のように国土のありとあらゆるところに張り巡らされた電線は途上国には存在しないので、通常の電話よりも携帯電話のほうが普及するはず、というのは認識していましたが、思ったより早く普及が進んでいるようです。2007年?のデータで45%の普及率、とのこと。なので携帯によるインターネットへのアクセスも・・・と思いましたが、良く考えてみれば識字率は非常に低いので、インターネットはまだまだ無理っぽいですね。
– プロダクトがとにかく安い。途上国の方々はお金がないので高いものが優秀なプロダクトであるはずはないのですが、想像以上に値段が安くびっくりしました。しかも性能は悪条件下での稼働を前提にしているので、下手な先進国のものより遥かにいいはずです。少し前に「ネクスト・マーケット」という本を読んだのですが、そこで「発展途上国は悪条件かつ超低コストでモノを作る必要があるため、作られるものは先進国よりもさらに発展しているものになる」といった旨の記述があったことを思い出しました。
参考:ネクスト・マーケット 「貧困層」を「顧客」に変える次世代ビジネス戦略 – nihimotoの本棚 – ブクログ
http://booklog.jp/users/nihimoto/archives/4901234714
– どのプロダクトも、製品だけではなくてその先のビジネスモデルまで含めて、セットで考えられている。普及への道筋を作らないと良いプロダクトとは言えないんでしょうかね。おそらく途上国ではマスメディアによる広告戦略とかそんなの通じないでしょうし、ネット経由でクチコミマーケティングが云々も無し。どうやって商品の存在を知ってもらい、どうやって買ってもらい、どうやって使ってもらうか、というところまで考えないと普及はしないのでしょうね。
– プロダクトの製作者の中に日本人がいなかったのが残念でした。一つくらい日本の手にものがあってもいいだろうに・・・実際協力はしているんでしょうが、ア ピール下手なのかな・・?